銷夏の詩(天 149)

吟譜(PDF)

作者:袁 枚

(一七一六~一七九七年)清朝中国の文人・詩人。食通として名高い。字は子才、号を簡斎、別の号として随園老人という。現在の浙江省杭州にある銭塘が出身地である。十二歳で生員に合格し一七三八年に挙人となり、翌年には二十四歳で進士 に及第した。しばらく翰林院に在籍してから公務につくが、若さに不安を持たれたせいか妬みのためか、地方しか任されず、江蘇省溧水の県令に出されてから以後は江浦・沭陽など、地方を転々する。田舎まわりの生活に嫌気がさした彼は三十八歳の時に感を辞し、其ののは生涯職につかなかった。

語釈

*鎖夏・・・・・「消夏」と同じで夏の暑さをしのぐこと。
*六月の天・・・旧暦故(現在の太陽暦では八月)、蒸し暑い季節

通釈

平日の昼下がり、草原に寝転んで大空に浮かぶ雲を眺め、川のせせらぎを聞きながら、花の香りに包まれてうとうと眠
る。嘗て夢にまで見ていた自由な生活を今満喫している。何よりも人に自慢したいのは、現役時代さんざん苦労させら れた真夏の暑さが今では却って心地よいことだ。鎖夏詩は作者四十歳の時の詩です。

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

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