秋思(続天 135)

吟譜(PDF)

作者:張籍

(七六八~八三〇年)中唐の詩人。字は文昌。和州(かしゅう)烏江(安徽省和県)の人。師友の韓愈(かんゆ)に目をかけられ、その推薦によって、国子博士となった。楽府に長じている。

語釈

*秋思・・・・秋の頃の物思い。秋に感じるものさびしい思い。
*洛陽城・・・(唐代で長安に次ぎ東の首都)・洛陽の街
*裏・・・・・内に。
*家書・・・・故郷への便り。
*萬重・・・・幾重にも重なる。
*復恐・・・・ひょとしたら・・・なのかもしれないと心配する。
復・・・・・・また。ふたたび。
*匆匆・・・・慌ただしいさま。いそがしいさま。騒がしいさま。
*行人・・・・旅人。ここでは、手紙を托す人のことになる。

通釈

洛陽城の裏(うち。)に秋風(あきかぜ)を見た。家に出す手紙を書こうと思って、意(おもい)が幾重(いくえ)にも重なってくる。あわただしく書いたので、言い尽くしていないのではないかと心配になって(手紙を託する)行人(たびびと)が出発する際に、もう一度封(ふう)を開いて見直したことである