城東の早春(続天 139)

吟譜(PDF)

作者:楊巨源

(七七〇~?年)・中国,中唐の詩人。蒲中 (山西省蒲県) の人。字,景山。七八九 年進士に及第。国子司業にまで進んで八四〇年頃 官を辞した。白居易,元じんと交遊があり,その詩は声律に意を用いた作品が多い。作品の代表作は「折楊柳」であろう。

語釈

*城東・・・市街地の東側であるが、ここでは長安城東であろう。
*嫩・・・・(やわらか)若く柔らか。
*鵞黄・・・鵞鳥の雛の黄色をもって柳の新芽のいろに比している。
*未匀・・・整わないこと。
*上林・・・広く天子の御苑。

通釈

詩人が愛する清らかな春の風景は何といっても早春の頃。柳の新芽がまだ鵞鳥の雛のような黄色を帯て色もまだ整わない。もしも上林苑の花が錦ように咲き誇るまで待てば、門を出る人々があふれ、すべての人が花見客なのだから、自然を楽しんではいられない。