西亭の春望(続天 162)

吟譜(PDF)

作者:賈至

(七一八~七七二年)盛唐の詩人。字は幼幾。洛陽の人。安史の乱には、玄宗に従って、蜀に避れる。

語釈

*西亭・・・岳陽城の西にあったあずまやという。岳陽の西には洞庭湖があるので、洞庭湖を見下ろす位置にあったのだろう。
*春望・・・春のながめ。春景色。
*窅冥〔ようめい〕・・・遠く暗い涯

通釈

昼間が長くなり、風が暖かくなって、柳は青青としてきた。北方の(帝都・長安の方)へ渡っていくガン飛んで帰って遠く暗い奥の涯に消えていった。(東の方の)岳陽城から笛を吹くのが聞こえてきて。よく春の物思いを(西側に広がる)洞庭湖の上にまで満ちあふれさせている。