昔遊を念う(続天 165)

吟譜(PDF)

作者:杜牧

(八〇三~八五二年)晩唐の詩人、字は牧之。京兆萬年(現・陝西省西安)の人。進士になった後、中書舍人となる。杜甫を「老杜」と呼び、杜牧を「小杜」ともいう。李商隠と共に味わい深い詩風で、歴史や風雅を詠ったことで有名である。

語釈

*念昔遊・・・・昔の遊行をおもいおこして。
*水西寺・・・・南朝時代に創建された安徽省の宣城市涇県の西部にある水西山の上にあった崇慶寺・寶勝寺・白雲寺の三大古刹の総称。
*回巌・・・・・岩をとりまく。
*楼閣・・・・・高い建物。たかどの。ものみ台。
*半醒半酔・・・半(なか)ばは酒からさめ、半ばは酔っている。

通釈

李白は、水西寺について詩を作っていたが、そこは、その詩のように古い木々が巌(いわお)を廻めぐって、たかどのに風が吹いていた。ほろ酔いで、三日間、気ままに過ごしているうちに。赤や白の花が、山中の雨の中なかで咲いていた。