日本刀(続天 193)

吟譜(PDF)

作者:大鳥 圭介

(一八三二~一九一一年)(天保三十二~明治四十四年)旧幕臣・明治の外交官・教育者・男爵、播州赤穂の人、慶応三年(一八六七)官軍が江戸に入るや一味を率いて脱走、東北各地で戦い函館で榎本武揚らと降伏後、明治政府に入った。

語釈

*鍛冶・・・鉄を精錬してきたえること。
*霜降・・・霜の降りたように、白い斑点が散らばっている文様。
*蟠根・・・とぐろを巻いたような根。
*錯節・・・入り組んで絡み合った木の節。

通釈

鉄を幾百回となく鍛えて焼きを入れ、研ぎ磨きそして出来た日本刀は霜が降りたように輝き埃一つなく澄んでいる。

日本刀の鋭利さは誰一人疑う者はいないが、それは昔から曲りくねった根や入り組んだ木でその鋭利さが試されているからである。