春の花を尋ぬ(続天 195)

吟譜(PDF)

作者:菅三品

(八九九~九八一年)本名菅原文時。菅原道真の孫。平安中期の公家、学者、文章博士。内記・式部大輔などを歴任、尾張権守となる。村上天皇が諸臣に政治上の意見に応じ、三ヶ条の意見をまとめた。また天皇の種々の宴に招かれ詩を献じ、大いに名声をあげた。七十六歳で正四位となり天元四年(九八一)従三位に叙せられたが同年没す。

語釈

*五嶺山・・・湖南・江西と江東・江西の間に渡る南嶺山脈の五つの嶺の総称。大庾は大庾嶺。唐の宰相、張九齢が梅を植えて梅嶺と名付けた。

通釈

五嶺に連なる山々は蒼く聳え、その上を白い雲がゆったりと行き来している。その中にあって、大庾嶺の万株の梅の木々が花を附けている事に心惹かれる。誰が言ったのであろうか、春は(景色)東方からやってくるなどと。これらの梅の花は露も暖かな南の枝から咲き始めているのに。

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)