山中即事(天 101)

吟譜(PDF)

作者:市村瓉次郎

(一八六四~一九四七年)東洋史学の大家。茨城県の人。字は圭卿、号は器堂。 小永井小舟(こながいしょうしゅう)の門にて漢籍を学び、長じて帝国大学古典漢書科を卒業。 学習院教授、帝国大学教授を歴任、新声社を結成し、於母影(おもかげ)を共訳にて刊行。その出来は同時代の水準を遥かに超えるものであったという。

通釈

雲に包まれれば峰は合して一山(いちざん)となり、雲が去ればまた分かれて数峰(すうほう)となる。しかし青山(せいざん)は元から動いてはいない、ただ雲の去来によってそう見えるだけなのだ。