春流(天 147)

吟譜(PDF)

作者:北条時頼

(一二二七~一二六三)鎌倉時代の武将。北条時氏(ときうじ)の子。母は松下禅尼(ぜんに)。鎌倉幕府五代執権となる。一二四七年三浦氏をほろぼした。一二四九年引付(ひきつけ)衆をもうけて裁判制度を改革するなど幕政の確立につとめた。一二五六年出家し最明寺殿とよばれた。のち諸国回国伝説が生まれた。一二六三年死去。三十七歳。法名は道崇。

通釈

春の川の流れは、雪解けの水をたたえて豊かな流れとなり川岸を越すほどであり、岸辺には若草が生えそろい、苔よりも緑濃く青々としている。この春景色に包まれた草堂は、人の訪れることもなくただ春風だけが吹いてきて、門の戸がひとりでに開くのである。

鑑賞

雪解けの水が豊かに流れる小川、緑に茂り行く岸辺の若草、春の風が通り過ぎて門がひとりでに開きます。素朴な自然な中、春の到来を喜ぶ作者が居ます。作者の喜びを我が喜びとして、穏やかに吟じてみたいと思います。