追悼の詞(天 181)

吟譜(PDF)

作者:安達漢城

(一八六四~一九四八年) 名は謙蔵(けんぞう)、漢城と号す、熊本の人。政治家にして選挙の神様といわれる。 逓相(ていそう)、内相を歴任、若くして吟詩を好み、横浜に八聖殿を、熊本に三賢堂を建て国民精神涵養に 意をつくした。なお本会顧問としてしばしば大会に出席された。昭和二十三年八月没す。年八十五歳没。

語釈

*暗然・・・心が暗くしずんでいるさま。
*漠漠・・・ひろびろとして、はてしのないさま。
*綿綿・・・長くつづいてたえぬさま。

通釈

人の命は、夢や煙のようにはかなく、定めのないものと分かってはいるが、君の死にあって みると、唯ぼんやりと、心も暗く打ち沈んでしまう。在りし日の君の姿をしのんで、名前を呼んでも答えてくれず、恨みだけが永く続いてつきることはない。