秋日(続天 134)

吟譜(PDF)

作者:耿湋

(七三四年~?)東河(山西省永済市)出身。七六三年(宝応二年)に進士及第。大理司から左拾遺に至った。『耿拾遺詩集』一巻が現在に伝わっている。唐の粛宗の時代、大唐十才子の一人といわれています。

語釈

*返照・・・照り返し。または夕日の光。
*閭巷・・・閭は、二十五戸を単位とする村。巷は、その中の小路。閭巷で村里。
*禾黍・・・禾は、イネ、黍は、キビ。また禾は、穀物の総称。

通釈

夕日がひとけのない村に照り返し、わびしい思いがこみ上げてくるが、村の小路には、行きかう人もなく、それを語る相手もいない。ただ、キビの葉ばかりが秋風に揺れさやさやと音を立てている。