春風(続天 136)

吟譜(PDF)

作者:白居易

(七七二~八四六年)中唐の大詩人。名は居易(きょい)、字は樂天(らくてん)、号は香山居士(こうざんこじ)、陝西省謂南 (せんせいしょういなん)の人、太原(たいげん)の人(山西省)ともいう。家は代々官吏、 早くから詩を作り、十六歳「春草の詩」、十七歳「王昭君」の作あり。八〇〇年進士、 元しん(げんしん)と親交あり、江西省九江の司馬に左遷された事もあるが、ほぼ中央の官にあり、 刑部尚書(ぎょうぶしょしょ)にて没す。年七十五歳。「長恨歌(ちょうごんか)」、「琵琶行(びわこう)」 の大作あり。「白氏長慶集(はくしちょうけいしゅう)」、「白氏文集(はくしもんじゅう)」等我が国 にも伝わり、平安文学に感化影響を与えた。

語釈

*櫻・・・・桜桃(ゆすらうめ)バラ科
*薺花・・・なずな(春の七草の一つ)
*楡莢・・・にれの實のさや
*深村・・・山里

通釈

春風は先ず宮中の庭園の梅の一枝を開花させ、ゆすらうめ・あんず・桃・梨としだいに開花させる。又、山深い里では「なずな」の花を 咲かせ、「にれ」のさやにも吹きわたる。すると私は、春風が私のために来てくれたのだと言いうれしく思うのである。

範吟

範吟 横山精真

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)