白雲山に登る(続天 196)

吟譜(PDF)

作者:太宰春台

(一六八〇~一七四七年)(延宝八年~延享四年)江戸時代中期の儒学者・経世家。「春台」は号で、名は純、字は徳夫、通称は弥右衛門。その秀才と剛気は、孔子の弟子子路になぞらえられた。

語釈

*白雲山・・・妙義山東側の主峰。
*白雲・・・・白い雲。俗世間を超越したことを暗示する語。
*翠微・・・・山の中腹、八合目あたりをいう。
*倚る・・・・寄る。
*雲裡・・・・雲の中。

通釈

白雲山はさすがにその名の通り白雲が飛んでいる。幾軒かの人家がその中腹にあり、かすんで見える。白雲のもうもうとした中を行きつくしてまた、白雲におおわれた山道を全身白雲でしっとりとぬれて帰って来た。