作者:本宮三香
(一八七八~一九五四年)(明治十一年~昭和二十九年)、千葉県香取郡津宮村(現佐原市津宮)に生まれる。
名は庸三(ようぞう)、 字は子述(しじゅつ)、別に風土子(ふうどし)と称し、三香は号。幼にして漢学漢詩を学ぶ。日露の役に従軍、第三軍に属し戦場でも詩を作る。三十九年凱戦後故山に帰り悠々自適の生活を楽しむ。大正二年「江南吟社」を設立、のち水郷吟詠会を組織し木村岳風の日本詩吟学院の講師を委嘱されるなど作詩及び詩吟の普及に力を傾けた。
作詩五千、酒と詩を愛した。昭和二十九年十二月二十九日没す。年七十七歳。
語釈
*恵方・・・・吉方。
*七福・・・・律儀・有福・威光・愛嬌・大量・人望・寿命
*七福神・・・大黒天・恵比須・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋。
*蓬莱・・・・中国の神仙思想の三神仙の一つ。不老不死の仙人が住むと伝えられる。
通釈
海は青畳を敷きつめたように波は平らかである。恵方の方角から宝船がやってきた。
乗り込んでいる七福神は、皆にこにこ顔で、弁天の美しい音色に合わせて、楽しそうに踊っている。
範吟
範吟 鈴木精成