山中問答(天 98)

吟譜(PDF)

作者:李白

(七〇一~七六二年)盛唐の詩人。杜甫(とほ)と並び称される。蜀(しょく)の錦州彰明県青蓮郷(きんしゅうしょうめいけん せいれんきょう)の人で青蓮居士(せいれんこじ)と号した。 幼にして俊才、剣術を習い任侠の徒と交わる。長じて中国各地を遍歴し、四十二歳より四十四歳まで玄宗皇帝の側近にあり、後再び各地を転転とし多くの詩をのこす。 安禄山(あんろくざん)の乱に遭遇して、罪を得たがのち赦される。六十二歳、病のために没す。

語釈

*何意・・・・・どういうつもりで
*碧山・・・・・ふかみどりの山 青山と同じ
*桃花流水・・・桃の花びらが水に浮かんで流れ去る 「陶淵明の桃花源の記」 をふまえている
*杳然・・・・・はるかに奥深いさま 悠遠なさま
*人閒・・・・・人間世界 俗世間のこと

通釈

誰かが私に、君はどういうわけでこんなみどり深い山に棲んでいるのかと尋ねる。そんな質問に私は笑っているだけだ。 そんな俗人の問いかけにはおかまいなくのどかな気持ちである。桃の花びらが水に浮かんで、はるかに奥深いところに流れてゆく。ここには人間世界とはちがった別天地があるのだ。

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)