京兆の韋参軍が東陽に量移せらるるを見る(続天 74)

吟譜(PDF)

作者:李 白

(七〇一~七六二年)・中国の盛唐の時代の詩人である。字は太白(たいはく)。号は青蓮居士。唐代のみならず中国詩歌史上において、同時代の杜甫とともに最高の存在とされる。奔放で変幻自在な詩風から、後世『詩仙』と称される。

語釈

*京兆・・・・京兆府(長安、現在の西安)。
*韋参軍・・・韋は姓。人物は不明。参軍は官名。軍事参議官。
*東陽・・・・今の浙江省金華県。
*量移・・・・罪のために辺地に左遷されていた役人が、情状を酌量されて近い所に転任させられること。
*潮水・・・・海水。うしお。
*還・・・・・「還めぐりて」、「還かえって」
*流人・・・・流刑に処せられた罪人。ここでは韋氏を指す。
*呉・・・・・今の江蘇省のうち長江以南の地を中心とする一帯。
*愁苦・・・・配所での愁いや苦しみ。
*盡・・・・・尽ことごとくとも読む。
*日南・・・・安南。現在のベトナムの首都ハノイの南。
*珠・・・・・真珠。