雑詩(続天 98)

吟譜(PDF)

作者:王維

(七〇一?~七六一年)・盛唐の詩人。字は摩詰。太原祁県(現・山西省祁県東南)の人。進士となり、右拾遺・・・尚書右丞等を歴任。晩年は仏教に傾倒した。同時代の詩人李白が“詩仙”、杜甫が“詩聖”と呼ばれるのに対し、その典雅静謐な詩風から詩仏と呼ばれ、南朝より続く自然詩を大成させた。韋応物、孟浩然、柳宗元と並び、唐の時代を象徴する自然詩人である。とりわけ、王維はその中でも際だった存在である。画についても、“南画の祖”と仰がれている。

語釈

*雜詩・・・興の趨(おもむ)くままに作った、型にとらわれない詩。
*故鄕・・・ふるさと。ここでは、王維の妻などの家族がいる。
*應知・・・きっと知っていることだろう。
*來日・・・ここへやってくる時。
*綺窗・・・美しい飾りのある窓。
*寒梅・・・早咲きの梅。

通釈

あなたは、わたしの郷里からやってきたので。きっと故郷の出来事を知っていることだろう。
ここへやってくる時には、美しい飾りのある妻の部屋の窓の前にある。早咲きの梅は、花をつけただだろうか。

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)