烏衣巷(天 14)

吟譜(PDF)

作者:劉禹錫

(七七二~八四二年)中唐の詩人、大暦七年河北省定県(ていけん)に生まれる。字は夢得(ぼうとく)、号は禹錫。

幼少より文才あり、貞元九年(七九三)の進士、官は検校礼部尚書(けんこうれいぶしょうしょ)をもって終る。柳宗元、白楽天 と親交があり劉賓客(ひんかく)文集、他あり。七十一歳没。

語釈

烏衣巷・・・金陵(南京)の町の名
*朱雀橋・・・朱雀門(都の南門)の外の秦淮にかかっていた橋
*王謝・・・・南朝最大の貴族、王氏と謝氏
*百姓・・・・人民、庶民(百姓は農民も含むがここでは特定しない)

通釈

六朝(りくちょう)時代に栄えた朱雀橋の辺りは、今は荒れはて野の草花が咲き、烏衣巷と呼ばれた町の入口には夕日が斜めにさしこんでいる。 昔、王氏や謝氏の邸宅に巣を作っていた燕が、今は庶民の家の軒先に巣を作っている。

範吟

範吟 鈴木精成