作者:杜 牧
八〇三年~八五二年 晩唐の詩人。字は牧之(ぼくし)、号は樊川(はんせん)、京兆万年(けいちょうばんねん=陝西省長安県)の人。名家の出身に して八二八年進士に及第後、地方、中央の官を歴任し中書舎人(ちゅうしょしゃじん)となって没す。
資性剛直、容姿美しく歌舞を好み、青楼に浮名を 流したこともあった。「樊川文集」20巻、「樊川詩集」7巻あり、「阿房宮賦」(あぼうきゅうふ)は早年の作にして文名を高めた。年五十歳。
語釈
*烏江亭・・・・安徽(あんき)省和県の東北にある駅亭
*兵家・・・・・軍人戦略家
*事不期・・・・予期できる事ではない
*包羞忍恥・・・恥辱に耐える
*江東・・・・・江南に同じ 長江下流付近 今の江蘇省南部から浙江省北部にわたる一帯を指す。
*子弟・・・・・若者
*才俊・・・・・優れた人物
*巻土重來・・・負けた者が土を巻き上げるような勢いで領土を占領し再び盛り返して攻めてくる
*未可知・・・・どうなっていったかその結果は分からない
通釈
勝敗は、戦略家でさえも予測できるものではない。たとえ敗れても恥辱に耐え再起を計ってこそ真の男子といえる。
項羽の本拠地である江東の若者たちには優れた人物が多いので、土けむりを巻き起こすような勢いで今一度出直していたなら、どうなっていたか分からない。
範吟
素読・範吟 鈴木精成
範吟 磯田精信
伴奏
伴奏(2本)
伴奏(6本)