作者:松平春嶽
(一八二八~一八九〇年)(文政十一年~明治二十三年)・幕末の福井藩主。名は慶永(よしなが)、田安(たやす)家に生まれる。ペリー浦賀来航を期に富国強兵と 藩政改革に着手、橋本左内を登用し推進させた。
安政の大獄に連坐して大老井伊直弼に隠居謹慎を命ぜられたが桜田門外の変後、 解かれ幕府政治総裁職となり、幕政の改革をはかり、公武合体を推進した。大政奉還の際には将軍慶喜に返還をすすめ断行させた。 新政府に迎えられて議定となる。明治二十三年6月病没、年六十三歳。
語釈
*開化・・・文明開化。文化の進むこと。
*習俗・・・風習。 風俗。
*浮薄・・・うすっぺらなこと。
*忠誠・・・天下万民のためにする志。
通釈
西欧文明が流入して世の中は開化に向かって進んでいる。人々は競って技術や知識を学び 立身出世を図っている。
昔は天下のために学んだのであるが、今は軽薄に流れていて愁うべきことである。こういう時期に天下国家のために 志を果たしている人は どれ位いるだろうか。それを思うとさびしいことである。
範吟
範吟 鈴木精成
伴奏
伴奏(2本)
伴奏(6本)