山行(天 95)

吟譜(PDF)

作者:杜牧

(八〇三~八五二年)晩唐の詩人.京兆晩年(西安市)の人。二十五歳の若さで進士に及第す。揚州に赴任した時連夜妓楼に流連(いつづけ)した。然し、美貌の風流才子たる一面、また豪放磊落(ごうほうらいらく)で政治軍事面に精通した。数州の刺史を歴任中書舎人に至った。

語釈

*山行・・・山歩き
*寒山・・・寒ざむとしたものさびしい山。
*石径・・・石の多い小道
*坐に・・・なんということなしに
*霜葉・・・紅葉
*二月・・・今の三~四月

通釈

晩秋の暮れがた、寒々とした石だたみの山道をどこまでも登っていくと、白雲の湧いているあたりになんと人家があった。車を止めてうっとりと薄色に染まった楓の林に見とれる。霜にうたれた楓の葉は春のさかりのはなよりも紅い。

範吟

範吟 鈴木精成