書懐(天 122)

吟譜(PDF)

作者:大橋 訥庵

(一八一六~一八六二年)(文化十三年~ 文久二年)、江戸時代後期の儒学者、尊王論者。諱は正順、通称は順蔵、字は周道、訥庵は号。幕末の尊王攘夷運動に大きな影響を及ぼした。文化一八一六年、長沼流兵学者の清水赤城の四男として生まれる。当初、母方の親族である信濃飯山藩士の酒井力蔵の養子となるが後に離縁している。一八三五年、儒学者の佐藤一斎に師事する。一八四一年、江戸日本橋の豪商佐野屋大橋淡雅の娘巻子と結婚し大橋姓を名乗る。同年、日本橋において思誠塾を開き、子弟に儒学を指導する。訥庵による指導は好評で、一八五〇年には下野宇都宮藩主・戸田忠温の招きにより、月一回江戸藩邸において儒学を教授した。朱子学を唱えて、攘夷を主張した。老中安藤信正襲撃を計画して投獄され、獄死。著「闢邪小言(へきじゃしょうげん)」「元寇紀略(げんこうきりゃく)」など。