松竹梅(天 128)

吟譜(PDF)

作者:松口月城

(一八八七~一九八一年)(明治二十年~昭和五十六年)・名は栄太(えいた)、号は月城。福岡市有田に生まれる。熊本医学専門学校を卒業し 十八歳にして医師となり世人を驚かせた秀才である。医業のかたわら漢詩を宮崎来城に学び、詩、書画、共に巧みであった。昭和五十六年七月十六日没す。年九十五歳。

語釈

*松竹梅・・・共に寒に耐えるもので「歳寒の三友」と呼び わが国ではめでたいものとして 慶事に用いられる。
*蓬莱・・・・想像上の仙山の名 東海の東にある仙人が住んでいたという。
*玉杯・・・・美しい石 即ち玉(ぎょく)で作った杯である

通釈

めでたい松竹梅が飾られ、君の家は今日まさに、神仙のすむという蓬莱の如くである。
鶴は千年、亀は万年といわれる長寿の象徴で、鶴や亀の舞い遊ぶようなめでたい席で人人も無限の歓びにひたって玉杯を 傾けるのである。

範吟

範吟 鈴木精成