
作者:劉 禹錫
(七七二~八四二年)中唐の詩人。河北省定県の人。字は夢得(ぼうとく)、禹錫は号。幼少より 文才あり、七九三年の進士、官は検校礼部尚書をもって終る。柳宗元、八居易と親交あり。八居易は劉禹錫を「詩豪」と評した。享年七十一歳。
語釈
*秋思・・・秋のものさびしい思い 詩題としては秋詞とするものもある
*寂寥・・・もの静かで さびしい
*秋日・・・ここでは春朝に対して秋の日ざしの輝くとき
*詩情・・・詩意。うたごころ。
*碧霄・・・碧空 あおぞら
通釈
昔から人は秋になると物寂しく、悲しい思いをするが、自分は秋の日なかの方が 春の朝にも勝っているといいたい。 晴れわたった秋空高く 一羽の鶴が、雲を押し分けるようにして 舞い上って行く。それは人のうた心を誘うように, 共に大空の上まで昇りつめるようである。
範吟
素読・範吟 鈴木精成