花下に酔う(続天 42)

吟譜(PDF)

作者:李商隠

(八一二年~八五六年)・晩唐の詩人。杜牧、温庭筠(おんていん)らと同時代人。字は義山。河内(現・河南省)の人。玉溪生とも号した。独自の世界を開いた。

語釈

*花下酔・・・花のもとで酔う。
*花下・・・・花の美しく咲きにおう下。=花底。*艶めかしい意味が隠された詩である。
*尋芳・・・・花を探し求める。
*倚・・・・・もたれる。よりかかる。よる。
*斜・・・・・かたむく。午後になって、日が西に傾いていること。
*酒醒・・・・酒の酔いが醒める。
*紅燭・・・・桃色のともしび。あかいともしび。
*残花・・・・散り残りの花。散り残って、すたれた花。

通釈

花(自然界の花/美しい妓女)を探し求めているうちに、いつの間にか流霞(=靄や雲気/仙界の酒)に酔ってしまい。。
木に寄りかかって熟睡してしまい、日も西に傾いている。他の人々が帰り、酒の酔いが醒めた深夜になってから。さらにまた、あかいともしび
を手に持って散り残りの花を観賞した。

範吟

範吟 鈴木精成