京師にて家書を得たり(続天 76)

吟譜(PDF)

作者:袁凱

(生没不詳):明朝初期詩の第一人者。字は景文。袁白燕と称される。華亭(現・上海市松江)の人。

洪武三年(一三七〇年)に御史に任じられ、活躍する。

語釈

*京師・・・・みやこ。
*家書・・・・家よりの手紙。故郷からの便り。
*江水・・・・川の流れ。長江の流れ。
*三千里・・・遙かな距離をいう。故郷のあるところとの距離をいう。
*別語・・・・その外のことば。「帰郷せよ」と言う以外のことば。

通釈

都で、故郷からの便りを手に入れた。

川の流れの遙かなところに故郷があり。遙かなところからわざわざ来たのに手紙文は、たった十五行だけの簡潔なものである。どの行(ぎょう)にも、外(ほか)のことは載っていなくて。ただただ、早く還ってこいとのみ言っている。