胡渭州(続天 85)

吟譜(PDF)

作者:張 祜

(七九二~八五二年)・晩唐の詩人。清河 (山東省) の人。字,承吉。科挙に落第し,晩年は江南を中心に流浪を続けたが,のち丹陽曲阿 (江蘇省) に隠棲して終った。平易な詩風で詩約 三五〇首が現存するが,五言律詩『金山寺』など,放浪中に歴訪した名勝,名寺の題詠が多い。

語釈

*胡渭州・・・楽府題。渭州は現・甘粛省隴西の東南にある地名。
*亭亭・・・・(樹木などの)高く聳(そび)えたつさま。直立したさま。遠く隔たっているさま。よるべないさま。美しいさま。
*孤月・・・・ものさびしく見える月。
*寂寂・・・・ものさびしいさま。静かなさま。ひっそりとしたさま。無心のさま。何も考えないさま。
*雲山・・・・雲のかかった山。

通釈

高々とものさびしく見える月が、通る舟を照らしてして。静かなでひっそりとした長江は、遥かに流れていく。故郷は、どちらの方がそうなのか分からないが。雲のかかった山が果てしなく続き、(わたしを)切ない思いにさせる。