江村晩眺(続天 88)

吟譜(PDF)

作者:戴復古

(一一六七~一二四八年頃 1250?)・字は式之(しきし)。号は石屏(せきへい)。台州黄岩(浙江省黄岩)の人。かつて林景思・陸游の門下に学び、広く閩・越・江・淮に遊び、平民として生涯を終えた。東皐子と号した父戴敏の影響で詩人を志し、徐似道や陸游について詩を学んだ。父と同じく一生仕官せず、各地をめぐって貴顕者に詩を売って暮すかたわら、多くの名士、文人と交遊した。晩年ようやく故郷に帰り、八十歳を過ぎて没した。彼は江湖派の代表的詩人の一人であり、杜甫と賈島を好み、詩の中でしばしば時政を諷刺批判した。一生の間江湖を漂泊した。若い頃、陸游に詩を学び、後に晩唐詩の影響を受けた。風格は自然で清健である。『石屏詩集』がある。

語釈

広々とした川のほとり、夕日があかあかと川砂の上を照らしている。潮が引いたあとには岸に引きあげられた船が砂上に傾いている。二羽の白い鳥が水ぎわに立っていたが、人影を見ると驚いて飛び立ち、アシの穂の影に隠れてしまった。