出塞行(天 132)

吟譜(PDF)

作者:王昌齢

(六九八~七五五年)(諸説あり) 盛唐の詩人。字は少伯(しょうはく)。京兆(けいちょう 陜西省(せんせいしょう)西安)の人、一説には江寧(江蘇省南京)の人ともいう。七二七年(開元(かいげん)十五年)の進士(しんし)、校書郎(こうしょろう)から氾水(はんすい 河南省)の尉(い)となるも素行 おさまらず各地に転任する。七言絶句の名手、李白、孟浩然(もうこうねん)、高適(こうせき)と交友あり、安禄山の乱の時郷里に帰り刺史(しし 長官)閭丘暁(りょきゅうぎょう)に殺される。「王昌齢詩集」五巻がある。

語釈

*出塞行・・・・楽府題 辺塞(へんさい)守備の兵士の辛苦を述べたもの 行は歌
*白草原・・・・新彊(しんきょう)省じゃく羌(じゃくきょう)県地方の高原とするも所在は不明
*白草・・・・・(白っぽい色の草、一つにやまかがみ) が一面に生えている原野
*京師・・・・・都 長安
*秋天・・・・・秋の空
*馬首東來・・・馬の首(たてがみ)を東すなわち都へ向けて行く

通釈

白草の生い茂る高原にたたずみ、都の方を望めば、都は遥かに遠く見えず、ただ黄河の水は滔々(とうとう)として西より東に流れ尽きることがない。 秋の空も淋しく、塞外の広野を往来する人影も絶えたが、折りしもただ一人馬首を東へ向け都の方へ向う旅人がある。 あれはいったい誰であろうか。(私も都へ帰りたいものである)

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)