作者:沈佺期
(?~七一四年)・初唐の則天武后朝の宮廷詩人であった。同期には、「代悲白頭翁」の作者・劉希夷、“沈・宋”と並び称された宋之問がいる。この詩は、生(洛陽の町)と死(北邙山上)の世界を対比した、沈佺期の傑作である。
語釈
*邙山・・・・・洛陽東北にある北邙山は,王侯の墓地として名高い。
*墳塋・・・・・墓
*万古千秋・・・千万年の古くから。
*日夕・・・・・昼と夜。
通釈
邙山の上には、累々と墓(墳塋)が並んでいる。それらは、遙かな昔から(万古千秋)洛陽の町と向かい合って、永遠に変わることが無い。
夕暮れ(日夕)になると、洛陽の町はにぎやかな歌や鐘の音でわき立つが、この山上では、松や柏の寂しい葉音が響きわたるばかりだ。
備考
淋しい貴族の墓地と賑やかな洛城の対比、人間の無常を感じさせる。
範吟
範吟 鈴木精成