山亭夏日(天 104)

吟譜(PDF)

作者:高駢

(八二一?~八八七年)晩唐の詩人。字は千里。幽州(現・河北省)の人。武術に優れた軍事指導者。黄巾の賊を討って功を挙げた。後、部下に殺された。

語釈

*山亭・・・山にある別荘。
*夏日・・・夏の日。
*池塘・・・池

通釈

緑に生い茂る木々は地面に濃い影を落としており、夏の日は長い。建物の影が池の水にさかさまに映って見える。水晶でできたすだれが動いてかすかな風がおこり棚いっぱいのバラの香が、建物いったいに香っている日 夏の日

参考

高駢という人物は唐末の武家生まれのサラブレッド武将で、南詔の侵入を度々防いで軍功を上げます。で、この軍功で靜海軍節度使に任命されます。しかし、黄巣の乱が勃発したため、その後は西川節度使を皮切りに各地を転戦します。この頃は朝廷の期待通りの働きを見せて、あと一歩の所まで黄巣を追い詰めますが、功績を独り占めしようとして却って黄巣の反撃に遭います。この打撃が後を引いたモノか、以後淮南節度使として揚州に引き籠もり、朝廷からの再三の出兵要請にも従わず、最後には部下に謀反を起こされて殺されています。

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

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