家計に寄せて志を言う(天 32)

吟譜(PDF)

作者:広瀬武夫

(一八六八~一九〇四年)軍人。海軍中佐。豊後竹田生まれ。ロシア駐在武官。日露戦争の際、旅順港閉塞隊を指揮、退船の際、上等兵杉野孫七を捜索して引き上げる途中、戦死。軍神として文部省唱歌にも歌われた。

語釈

*丹心・・・・・・まごころ。
*七生を期す・・・楠木正成が湊川の戦いに敗れて自刃する時、「七度人間(じんかん)に生まれて朝敵を滅ぼさん」と誓った言葉に基ずく。

通釈

臣として君の為に忠誠を尽くすという大義は、はなはだ明白であって、国に報いようとするわれわれの真心は、かの楠木正成・正季兄弟のごとく、七たびこの世に人間として生まれかえって逆賊を滅ぼそうとする覚悟そそものである。吾が家は名誉ある忠臣菊池氏の子孫であるので、この様に君の為に命を捧げようとする忠誠は、祖先伝来の遺風である。願わくはこのたびも先祖に劣らぬ武勲を立て、兄弟誓って、わが家の名声をあげたいものである。

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)