佳賓好主(天 34)

吟譜(PDF)

作者:佐藤一齋

(一七七二~一八五九年)江戸後期の儒学者。安永元年十月江戸浜町(はまちょう)の美濃(みの)岩村藩邸に生まれる。名は坦(たん たいら)、字は大道(たいどう)、捨蔵(すてぞう)と称し、号は一齋。

中井竹山その他に学び、晩年昌平黌(しょうへいこう)の儒官となり、安政六年九月没す。年八十八。麻生深広寺(あさぶしんこうじ)に葬る。

語釈

*佳賓好主・・・佳い賓客(ひんかく おきゃく)と好い主人
*月影・・・・・月の光
*邀・・・・・・まちうける むかえる
*雙絶・・・・・好一対のすぐれた風景
*管領・・・・・支配する・自分のものとする
*黄昏・・・・・ゆうぐれ、たそがれ

通釈

月は美しく咲く梅の花を訪(おとず)れて(照らして)とても良い主人だとし、梅の花は月影をむかえて とても良い客だとする。佳(よ)い客と好い主人(月と梅)は好一対のすぐれた風景をもたらし、春の夕暮れの一時(ひととき)をわがものとしている のである。