
作者:白 居易
(七七二~八四六年) 中唐の大詩人。字は樂天(らくてん)、名は居易、号は香山居士(こうざんこじ)、陝西省謂南 (せんせいしょういなん)の人、太原(たいげん)の人(山西省)ともいう。
家は代々官吏、 早くから詩を作り、十六歳「春草の詩」、十七歳「王昭君」の作あり。
貞元十六年(八〇〇年)進士、 元しん(げんしん)と親交あり、江西省九江の司馬に左遷された事もあるが、ほぼ中央の官にあり。 刑部尚書(ぎょうぶしょしょ)にて没す、年七五。「長恨歌(ちょうごんか)」、「琵琶行(びわこう)」 の大作あり。「白氏長慶集(はくしちょうけいしゅう)」、「白氏文集(はくしもんじゅう)」等我が国 にも伝わり、平安文学に感化影響を与えた。
語釈
*新霜・・・・初霜
*著瓦輕・・・うっすらと瓦に付いている
*芭蕉・・・・バショウ科の大形の多年生草木
*敗荷・・・・荷ははす 枯れてやぶれたはすの葉
*金粟・・・・ここでは菊のことをいう
通釈
一夜明けると今年初めての霜がうっすらと降りて瓦を白くしている。この寒さに、芭蕉は新たに折れ、破れた蓮の葉も
傾いてしまった。そうした寒さに耐え毅然(きぜん)としているのは、ただ東籬の菊だけで美しく開いたその菊の花は暁の
風景をいっそう清らかにしている。
範吟
素読・範吟 鈴木精成
伴奏
伴奏(2本)
伴奏(6本)