黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る(天 88)

吟譜(PDF)

作者:李白

(七〇一年~七六二年)・中国の盛唐の時代の詩人である。字は太白(たいはく)。号は青蓮居士。唐代のみならず中国詩歌史上に
おいて、同時代の杜甫とともに最高の存在とされる。奔放で変幻自在な詩風から、後世『詩仙』と称される。

通釈

昔からの友人である孟浩然が、黄鶴楼に別れを告げようとしている 霞だって花が咲いているこの三月に揚州へと下っていくのだ。
船の帆がだんだんと青空に吸い込まれるように小さくなっていく。そのうちただ長江が天際に向かって流れているのを見ているだけになってしまった。

参考

◎黄鶴楼は、現在の中華人民共和国武漢市武昌区にかつて存在した楼閣。現在はほぼ同位置に再建された楼閣がある。
武漢随一の名勝地であり、中国の『江南三大名楼』のひとつである。
現在の黄鶴楼は十九世紀当時の姿を参考にして一九八五年に再建されたもので、高さは約51.4メートルある。

範吟

範吟 鈴木精成

範吟 磯田精信

 

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