自詠(天 126)

吟譜(PDF)

作者:菅原道真

(八四五~九〇三年)平安初期の公卿。学者。本名は三。幼名阿呼。菅公と称される。若年で詩歌を作り始め、神童の誉高く、やがて文章博士までになる。九〇一年、藤原時平の中傷によって大宰権帥に左遷。その地で亡くなる。後に、学問の神・天満天神として崇められる。遣唐使の廃止や、国風文化の振興に努める。

語釈

*自詠・・・自らをうたう。
*離家・・・故郷の家(家郷)を離れる。故郷を離れて旅立つ。
*落涙・・・涙をこぼす。涙を流す。
*萬事・・・すべてのこと。あらゆること。
*時時・・・たえず。いつも。また、しばしば。時々。

通釈

故郷を離れて三、四ヶ月経ち、涙を数百~千以上も垂らした。すべての事がみな、夢のようである。絶えず、あの青空を仰ぎ見て歎きの言葉で問いかけている。