馬上偶成(天 205)

吟譜(PDF)

作者:高杉 晋作

(一八三九~一八六七年)(天保十年~慶應三年)号は東行・名は春風、江戸末期の志士長州藩士、吉田松陰門下の逸材尊皇攘夷運動に活躍、第二次長州征伐の時は長州藩の海軍総督として小倉方面にいたが喀血し病床に伏し、維新を目前にして慶応三年四月下関にて没す、享年二十七歳

語釈

*偶成・・・・・・・詩歌などが、ふとできあがること。
*恃(たの)む・・・たよる。あてにする。たのむ。
*乱丸・・・・・・・乱れ飛ぶ弾丸。
*沙辺・・・・・・・砂のある水辺。
*腥風・・・・・・・なまぐさい風。
*幽夢・・・・・・・静かに見る夢。

通釈

危険な戦いも衆を頼むようでは駄目だ。自ら先頭に立って乱れ飛ぶ弾丸の中に敵をけちらさん。
なまぐさい風の吹く夕べ、浜辺の砂上で兜を枕にしてしばしまどろんでいると幕府を倒す夢を見た

備考

王政復古の急先鋒であった長州藩と幕府は対立し、幕府は長州征伐を企てた。長州では直ちに出兵し、その先鋒として作者は奇兵隊を組織して敵陣に突入したその時の作