磯浜望洋楼に登る(続天 11)

吟譜(PDF)

作者:三島中州

(一八二六~一九一五年)備中(岡山県)中島村の庄屋に生まれ、幼名貞一郎、号中州。一四歳より松山藩儒山田方谷、
伊勢の斎藤接堂に学び、江戸昌平黌に学び、文久元年(一八六一年)松山に帰ったが尊王攘夷論盛んな時、幕府の命をうけ西国諸藩の情勢を探った。学問は流れをくみ、維新後今の二松学舎大学の前進である家塾二松学舎をおこし子弟を教育した。東京高師、東大教授を歴任、明治二十九年、東宮侍講となった。大正四年五月没。九十歳。

語釈

*磯浜・・・茨城県大洗町
*極目・・・見わたす限り
*慨然・・・心をふるいたたせる
*東洋・・・中国では元来日本をさすが、太平洋のこと

通釈

磯浜の望洋楼に登り、波濤万里の太平洋を望んだ詩

夜、磯浜望洋楼に登り、果てしない太平洋を見渡し、どこがアメリカ大陸であろうか遠征したい気持ちが湧いてくる。秋月が皎々(こうこう)と波濤万里の洋上を照らしている。