作者:山鹿素行
(一六二二~一六八五年)・江戸時代前期の儒者、会津の生まれ。朱子学や軍学を修め、仏教・神道・和歌などにもくわしかった。古学を唱えたことから幕府に憎まれ、赤穂藩に預けられた。藩士たちに講義し影響を与えた。大石良雄も門弟の一人。
語釈
*筆を試す・・・元旦に詩を作ること。
*紅霞・・・・・真っ赤な太陽。
*九垓・・・・・世界。
*東帝・・・・・太陽。
*恩波・・・・・恩恵
*世路・・・・・世の中。
*霜辛・・・・・きびしい霜。
通釈
太陽は海を出て、日の光は世界に満ちている。太陽の恩恵はまことに大である。世渡りのむずかしさ楽しさを梅の木は知っているだろうか。ともかく霜に耐え雪に苦しみ太陽の恩恵で一枝花を咲かせたのだ。
範吟
範吟 鈴木精成