華道(続天 32)

吟譜(PDF)

作者:松口月城

(一八八七~一九八一年)(明治二十年~昭和五十六年)・ 松口栄太・雅号月城、・福岡県那珂川町今光に生まれ・満九十四歳で逝去した。開業医として医業に精進し、地域医療に貢献した。月城は医療の傍ら、漢詩、書道、南画など多彩な才能を発揮した。特に吟詠漢詩家としては、我が国の至宝であり、生涯で一万数千首にも及ぶ漢詩を作り、多くの人々の心に感銘を与えた。

語釈

*瓶器・・・花器のこと。
*無我・・・われを忘れてすること

通釈

わが国古来の華道に精進して花器の前に座れば、俗世を離れて仙人の境地そのままである。
四季折々の趣があって、正に大自然を水盤上に移してみる如くである。

鑑賞

この詩は力まず静かな調子で、すがすがしく吟ずる。