偶作(続天 55)

吟譜(PDF)

作者:良寛

(一七五八~一八三一年)江戸期の漢詩の担い手であった僧侶のうち、良寛も忘れてはなりません。明治書院「新書漢文大系七 日本漢詩」によれば、「越後出雲崎(新潟県)の人。名主の長男に生まれたが家は弟に譲り出家。出家の原因は家のことがかかわっていたらしい。父は流浪の旅に出て京の桂川に身を投げた。良寛は越後の寺を転々とし、農民や子供と心を通わせている。晩年には貞信尼と恋愛し、彼女に介抱されながらこの世を去る」とあります。いわゆる厳しい戒律の下で難行修行を続けた禅僧のイメージとはいささかかけ離れています、良寛さん。

語釈

ふもとのわが家 この五合庵、いつでも粗茶や 粗食 習慣、 賢人もなし ただひっそりと寂しい林 葉を拾う人