山中諸生に示す(その五)(天 102)

吟譜(PDF)

作者:王守仁

(一四七二~一五二八年)中国,明代中期の思想家,政治家。字は伯安,号は陽明。ふつう王陽明とよびならわされる。浙江省余姚(よよう)の人。父は南京吏部尚書王華。一四九九年の進士。明朝教学体系の中枢を占めた朱子学の権威に疑問の投げかけられはじめた思想・社会状況のなかで、王守仁は思想形成をなし、独自に良知心学を樹立して、強烈な朱子学批判を行ったために思想界は朱子学の呪縛から解放されて、彼の出現以後の思想界は百花斉放の観を呈した。

通釈

渓のほとりで流れにのぞんで坐していると、水は悠悠と自然に流れて我が心の悠悠たるとともに静かである。
そのうちに日が暮れて山上に月が上ったのも気付かずにいると、月に照らされた松の影が衣の上に落ちて、点々と模様をつけている。