宝船(天 166)

吟譜(PDF)

作者:藤野君山

(一八六三年~一九四三年)名は静輝(しずてる)。東京に生まれる。宮内省式部職に勤務、退官後大正天皇より賜った菊にちなんで賜菊園(しぎくえん)を主宰した。漢詩をよくする。昭和十八年十一月没す。年八十歳。

語釈

*七福・・・・・・七柱(ななばしら)の福の神=・大黒天(だいこくてん)・恵比寿(えびす)・毘沙門天(びしゃもんてん)・弁才天(べんざいてん)・布袋(ほてい)・福禄寿(ふくろくじゅ)・寿老人(じゅろうじん)で世にいう七福神のことである。
*金銀珠玉船・・・ 金 銀など七宝(しちほう)を積みこんだ船。

通釈

波平かな大海原に旭日燦々(きょくじつさんさん)として昇り、遙かかなたから宝の字を描いた錦の帆をあげて宝船が やってくる。同乗するのは、七福の神であり、皆安らかな笑を浮べている。金銀財宝を山の如く積みこんでいる宝船である。

範吟

素読・範吟 鈴木精成