早に白帝城を発す(天 180)

吟譜(PDF)

作者:李白

(七〇一~七六二年)盛唐の詩人。字は太白。自ら青蓮居士と号する。世に詩仙と称される。西域・隴西の成紀の人で、四川で育つ。若くして諸国を漫遊し、後に出仕して、翰林供奉となるが高力士の讒言に遭い、退けられる安史の乱では苦労をし、後、永王が謀亂を起こしたのに際し、幕僚となっていたため、罪を得て夜郎にながされ、やがて赦された。

語釈

*白帝・・・・・・白帝城のこと
*早・・・・・・・時間帯上はやいこと。時期的にはやいこと。
*早発白帝城・・・朝早くに白帝城の町を出発する。作者・李白が永王の幕僚となっていたため、永王が謀叛とされたため、罪を得て夜郎にながされたが、途中で赦免され、李白は帰途についた。これは、その時のうきうきとした心情をうたう。
*千里・・・・・・はるかで多大な距離。
*江陵・・・・・・〔かうりょう〕現・湖北省江陵県。白帝城より直線距離で250キロメートルほど東の下流に位置している。かつての楚国の国都・郢である。
*一日・・・・・・いちじつ。古来、日が出て日が沈むまでを謂い、朝から夕方までのこと。
*還・・・・・・・(行って)戻ってくること。かえる。

通釈

朝早く朝焼け雲の下、白帝城を辞去し、はるかに離れた江陵に、一日の中に戻っていく。両岸(の山々)では、猿の啼き声がやまないが、軽やかで速い小舟は、すでに幾重にも重なった多くの山々の間を通り過ぎた。

範吟

範吟 横山岳精

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)

 

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