夏意(続天 43)

吟譜(PDF)

作者:蘇舜欽

(一〇〇八~一〇四八年)・北宋の詩人。字は子美。梓州銅山(現・四川省中江)の人。若くして蔭補により、任官。

仁宗の景祐元年(一〇三四年)の進士。後に、范仲淹に認められたが、反対派により弾劾され、蘇州に移住し、滄浪亭を造り、読書と作詩に没頭した。その詩は、雄志を述べる道をふさがれた感慨の述べて悲憤慷慨したものとなっている。

語釈

*夏意・・・夏のおもむき。夏のおもい。
*別院・・・別に建てた建物。離れ。
*深深・・・ふかい。奥深い。奥深く。
*簟・・・・竹の表皮や葦などを編んだ敷物。たかむしろ。むしろ。
*石榴・・・ザクロ。初夏に鮮紅色などの六弁花をつける。
*樹陰・・・木蔭。
*満地・・・地面一杯に。
*流鴬・・・木から木へと飛び移って鳴くウグイス。また、鳴き声が流麗である。

通釈

離(はな)れの建物は奥深く、夏物のたかむしろは、すがすがしく。ザクロの花は遍(あまね)く咲いて、簾(すだれ)を通してはっきりと見える。

木蔭は地面一杯になって、太陽が真南にある正午で。夢から醒めた時、木から木へと飛び移って鳴くウグイスの鳴き声が、一声(聞こえた)。

範吟

素読・範吟 鈴木精成

伴奏

伴奏(2本)

伴奏(6本)